被災地の現状を多角的に学び、今後の取り組みへ活かす被災地支援事業「福島スタディツアー」
都本部民間協は2023年12月9日~10日にかけて、2023年度被災地支援事業「福島スタディツアー」を開催しました。
都本部民間協では、2011年の東日本大震災発災当初から「被災地支援プロジェクト」を立ち上げ、原発事故災害により外で遊ぶことができない新地町の子どもたちを東京へ招いての交流活動や被災地の海岸清掃、植林プロジェクトへの参加など、毎年被災地に寄り添うことをテーマにプロジェクトチームを結成、企画・検討を重ね、様々な取り組みを行っています。2021年には、10年間の被災地支援の取り組み記録をまとめた「都本部民間協~東日本大震災復興支援のあゆみ~」を作成し、全単組へ配布も行ったところです。今回の「福島スタディツアー」は、2023年8月に福島第一原発で発生した処理水の海洋放出問題に際し、福島の現実はどうなっているのかを現地で学び再認識するとともに、今後の取り組みへとつなげていくことを主旨として開催しました。
2日間の行程で、①「特定廃棄物埋立情報館『リプルンふくしま』」②「東京電力廃炉資料館」③「とみおかアーカイブ・ミュージアム」④「東日本大震災・原子力災害伝承館」⑤「震災遺構浪江町立請戸小学校」を貸し切りバスで回り、参加者は実際に線量計を使って室内外の放射線の計測体験をしたり、原発事故の影響で今もふるさとに戻ることのできない語り部の話を聞くなど、現地学習だからこそ可能な実際に目で見て、耳で聞く学習の大切さを心に刻みました。
参加者アンケートでは「1日目が国や企業側の視点、2日目が震災遺構見学や語り部研修など被災者の視点構成となっていて、両方を学ぶことができ、それぞれの立場・主張がより理解できた」「廃炉資料館では、事故の謝罪と反省を述べながら廃炉作業が着実に進んでいるかのようなストーリーの展示や映像であり、実態とはかけ離れていると感じた」「災害を人災の側面からも考え、防災意識を改めて高めていく必要があると感じた」などの感想も寄せられました。
民間協は、このゴールが見えない福島の原子力災害の状況を含め、被災地や様々な社会課題についても寄り添った取り組みを今後も進めて参ります。