自治労東京都本部第33回保育集会(6/16)

 都本部は6月16日、連合会館にて第33回保育集会を開催、保育現場で働く仲間278人が参加した。全体会は汐見和恵氏(家族・デザイン研究所所長、フレベール西が丘みらい園園長)から「保育所保育指針の改定Ⅱ~乳児保育に関わるねらいと保育士に求められるもの~」と題し記念講演をいただいた。午後は4つの分科会に分かれ、学習を深めた。
 集会冒頭、座光寺委員長は子どもを巡る悲惨な事件事故が毎日のように報道されていることに触れながら、子どもを社会全体で育むことの重要性を訴えた。また保育士の現場では、離職による人手不足に加え、賃金は他職種に比べて10万円低いデータがあることを懸念。また、来年の参議院議員選挙にむけて自治労組織内から“岸まきこさん”が立候補する予定であることから、保育現場の声を国会に届けるために支持の輪の拡大を訴えた。 
 続く徳田保育部会長の基調提起では「労働組合はみんなが意見を出し合って考えていく場。一人一人が考えて行動する必要がある。その上でこれからの公立保育園の役割については、保育園に通っている子どもだけでなく、保育園に通えない子どもたちにも視点を当てていくことが必要。そのためには保育だけでなく、政治や予算などに関心を示していくことが大切。子どもが笑顔になるには保育士が笑顔にならなければいけない。笑顔あふれる保育現場をみんなで作ろう」と提起した。
 記念講演は家族・デザイン研究所所長の汐見和恵氏より指針改定におけるポイント、とりわけ乳児保育に視点をあてた保育士の関わり方についてご講演いただいた。
 汐見さんは指針の確認をしながら、乳児保育を行う施設としての共有事項として、①理解、②思考力、③人間性の3つの柱を挙げ、“非認知能力”を育てることの大切さを説明。「きめ細やかな保育の目、小さい子の視点に立った寄り添いによって育つことで人間性が形成される。『大人が楽しいと子どもも楽しい!』を念頭において保育してほしい」と参加者にアドバイスした。
 午後は4つの分科会で翌日から実践できるスキルを身につけた。世田谷仁慈保幼園園長の佐伯絵美さんを講師にむかえた第4分科会では、民間保育所の取り組みを紹介。参加者からは公立と民間では取り組みに大きな違いがあると捉えがちだが、めざすところは一緒であり、互いのエッセンスを少しずつ取り入れてより良い保育をしていきたいとの声もあった。

▲会場は都内で働く保育職場の仲間で満席となった